ライ麦粉を使ったパンは別名ドイツパンとも呼ばれています。
小麦粉で作るパンとは違った、少し酸味のあるどっしりした食べ応えがおいしいんですよね^^
街のパン屋ではなかなか売っていないので自分で手作りする人も多いのですが、誰もが一度は通るのが「ライ麦パンが膨らまない」ということ。
パン作りに慣れている人でも、なぜかライ麦パンは失敗してしまうということがあるんです。
なぜライ麦パンは膨らまないのか、理由が知りたいですよね。
そこで今回は、ライ麦パンが膨らまない原因について、またライ麦パンをおいしく作るためのコツをまとめました。
ライ麦パンが膨らまない原因
まず、知っておいてほしいのは『ライ麦パンはふわふわと膨らむようなパンではない』ということ。
通常の食パンのようなふわふわの食感にならない…なんて言う人、それは失敗ではありません。
ライ麦パンは、通常パンをふくらませるイースト種ではなくサワー種を使って作ります。
サワー種を使って作ったパンは目がつまったずっしりとした重みのある焼き上がりに。
通常の食パンのような焼き上がりを想像すると「思ったのと違う」となるかもしれませんが、ふわふわでなくても失敗ではないので安心してくださいね。
ただ、ライ麦パンは全く膨らまないわけではないので、焼き上がりがしぼむ・ベタベタするなんてときはいくつか原因があります。
- イースト種を使っている
- ライ麦の配合が多い
- 発酵時間が足りない
詳しく原因を見ていきましょう!
ライ麦パンが膨らまない原因①イースト種を使っている
ライ麦パンを作るとき、サワー種ではなくイースト種を使うと膨らまないことがあります。
小麦粉で作るパンが膨らむのは、小麦粉のデンプン質とイースト菌が作用しガスを発生させるから。
ライ麦にはそもそもグルテン質が含まれていないため、イースト種では作用せず膨らまないんです。
ただ、ライ麦パンを作るときに小麦粉の比率が多ければイースト種でも膨らみます。
レシピによってイースト種を使うかサワー種を使うか指示があると思うので、きちんと確認しましょう。
くれぐれも、『レシピの小麦粉をライ麦粉に置き換えただけ』でパンを作らないようにしてくださいね。
ライ麦パンが膨らまない原因②ライ麦の配合が多い
ライ麦パンは、ライ麦の比率が高くなるほど膨らまなくなります。
ライ麦には通常パンを膨らませるために必要なグルテン質が含まれていないため、ライ麦100%で作った生地はほとんど膨らまないと思っていいでしょう。
ライ麦パンは粉の中のライ麦の比率によって種類が変わります。
- ロッゲンブロート:ライ麦比率90%以上
- ロッゲンミッシュブロート:ライ麦比率50%~90%以下
- ミッシュブロート:ライ麦比率50%
- ヴァイツェンミッシュブロート:ライ麦比率10%~50%以下
- ヴァイツェンブロート:ライ麦比率10%以下
ライ麦パンを膨らませたいと思ったら、まずはライ麦比率が50%以下のヴァイツェンミッシュブロートから作ってみるのをおすすめします。
ライ麦パンが膨らまない原因③発酵時間が足りない
ライ麦パンが膨らまない原因として、発酵時間が短い・足りていないことも考えられます。
イースト種を使うパンもサワー種を使うパンも、発酵させないとパンは膨らみません。
イースト種で作ったパン生地は約2倍に生地を膨らんだら・フィンガーテストで穴が戻らなかったら、など発酵を見極めるポイントがいくつかありますよね。
ところが、サワー種で作った生地はグルテンが作られないため、生地の膨らみが悪く見た目で発酵具合を見極めるのが難しいんです。
ライ麦の比率が多くなるほど見た目の変化がほとんどありません。
結果、発酵が足りずライ麦パンが膨らまないことに繋がります。
ライ麦パンがホームベーカリーで膨らまない原因と対策
生地のこねあげから発酵・焼きまでおまかせのホームベーカリー。
とっても頼りになる存在ですが、ライ麦パンがホームベーカリーで膨らまないことがあるんです。
ライ麦パンが膨らまない原因は
- ライ麦粉の比率が高いのにイースト種を使っていること
- 発酵時間が不足していること
が考えられます。
これらは、手ごねで作る場合もホームベーカリーを使う場合も変わりません。
その他にも、ホームベーカリーならではの原因として考えられるのが【粉類が均等に混ざり合っていない】ということ。
ホームベーカリーは材料を混ぜることからやってくれますが、人間の手と違い混ぜる方向は一定で臨機応変に動けません。
粉類の混ざり具合にムラがあると生地の発酵にも影響が出てしまいます。
対策としては、ホームベーカリーでライ麦パンを作るときはスイッチを入れる前に手動で粉類を混ぜてください。
全体がしっかりと均一になった状態からホームベーカリーにおまかせすると、ライ麦パンが膨らみやすくなりますよ◎
ライ麦パンをうまく作るコツ
ライ麦パンをうまく作るコツは、発酵の具合をうまく見極めることです。
ライ麦パンでも小麦粉の比率が多くなるものは、わりかし発酵の段階で生地が膨むので分かりやすいんですね。
注意が必要なのは、ライ麦粉の比率が多いレシピ。
ライ麦粉の比率が多くなると必然的にサワー種を使うことになりますが、サワー種を使って作った生地は発酵でもほとんど膨らみません。
様子が分からないので、「発酵が終わってるのかどうか」分かりにくいんです。
ライ麦粉の比率が50%を超えるレシピの場合、発酵の見極めのポイントは手で触ってみること!
ライ麦パンで十分に発酵が済んだものはふわふわの触り心地になります。
こね上げたあとの生地はパンっと張りがあるので、違いはすぐに分かると思います◎
生地に人差し指を入れて穴のしぼみ具合で発酵具合を確かめる【フィンガーテスト】がありますが、ライ麦パンではNG。
ガスが抜けてしぼんでしまうので、やめておきましょう。
ライ麦パンのレシピ:手ごね
ここからはライ麦パンのおすすめレシピを紹介します。
まずは手ごねで作る人向けレシピを2つ。
ライ麦比率25%のパン
ライ麦比率が25%で、ライ麦パンを作るのも食べるのも初めての人におすすめのレシピです。
イースト種を使うため、発酵の見極め方も簡単。
ほのかに香ばしいライ麦の香りが楽しめますよ◎
ライ麦比率84%のパン
ライ麦パンの酸味のある味わいを楽しみたいならこちら。
サワー種を使いながらも、ほんの少量イーストを加えることで膨らむ力をサポートしています。
ずっしりした生地は噛むほどうま味が出てきて、やみつきになりますよ^^
ライ麦パンのレシピ:ホームベーカリー
次に紹介するのは、ホームベーカリーを使って作るライ麦パンのレシピです。
ライ麦比率25%のパン
手に入れにくいサワー種の代わりにヨーグルトを使った手軽なレシピ。
ほんのりした酸味とライ麦の香ばしさを味わえます。
ライ麦比率40%のパン
ライ麦比率40%でしっかりとライ麦の風味を楽しめるパンのレシピです。
卵や油脂を加えることで、やわらかさをプラス。
ライ麦パンに食べやすさも欲しい人におすすめです。
ライ麦パンが膨らまない原因まとめ
グルテンを持たないライ麦を使って作るライ麦パンは膨らまないことが基本です。
ライ麦の比率が多くなるほどどっしりした生地になりますが、それがライ麦パンのおいしさ。
サワー種を使うからこそ出るほんのりした酸味やライ麦の香ばしさを楽しんでください。
ライ麦パンを作るなら、まずはライ麦比率が低いものから始めるといいでしょう。
徐々にライ麦の比率を増やしていくと、発酵具合を見極められるようになりますよ◎
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