フランスパンのクープが開かない理由は?入れ方のコツについても!

フランスパンのクープが開かない理由は?入れ方のコツについても!

フランスパンのクープは、見た目を美しくするためだけでなく、中まで火を通りやすくするという重要な意味もあります。

でも、このクープがなかなか難しい…!

私は以前パン屋で働いていましたが、思った通りにフランスパンのクープが開かないことが多くあって。

クープはフランスパンに欠かせないものだからきれいに入れたいですよね。


そこで今回は、フランスパンのクープが開かない理由やクープの入れ方のコツについてまとめました。

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フランスパンのクープが開かない理由

フランスパンのクープが開かない原因

フランスパンのクープが開かないとき考えられる理由は5つ。

  • 生地が過発酵になっているため
  • 生地が発酵不足のため
  • クープを入れるときに何回もナイフを入れているため
  • 焼成時のオーブン庫内の温度が低いため
  • 焼成時のオーブン庫内のスチームが少ないため

生地が過発酵になっている

フランスパンの生地が過発酵の場合クープはうまく開きません。

パンが膨らむために生地を発酵させることは大事ですが、発酵させすぎると生地がゆるみきってしまいます。

クープは、パン生地を焼いたときに生地が膨張して表面を押し上げることで生まれます。

しかし、過発酵の生地は自分で膨らむ力が弱くなっているので、生地を中から押し上げることができません。

結果、クープがきれいに開かないというわけなんですね。

生地が発酵不足

フランスパンの生地が発酵不足でもよくありません。

パンは小麦粉に含まれるグルテンとイースト菌が作用して炭酸ガスを発生させることで膨らみます。

しかし、発酵不足の生地というのはグルテンとイースト菌がうまく作用していない状態で、炭酸ガスも発生していません。

生地自体に膨らむ力がないので、クープを開けるために生地を中から押し上げることもできない状態。

発酵不足の生地はクープが開かないどころか、生地もぺちゃんとしてふっくらと焼きあがりません。

クープを入れるときに何回もナイフを入れている

クープを入れるときに何回も生地にナイフを入れるのはNG。

生地はナイフを入れるたびに傷つきます。

パン生地が傷つくというのはせっかくできたグルテン膜が切れたり炭酸ガスが抜けてしまうということ。

生地の膨らみが悪くり、クープもきれいに開かなくなってしまいます。

焼成時のオーブン庫内の温度が低い

フランスパンを焼くとき、オーブン庫内の温度が低いこともクープが開かない理由のひとつです。

フランスパンは水分量の多い生地でできているのですが、焼成時に大事なことは高温で焼き上げること。

そうすることで生地中の水分を一気に蒸発させて、グルテン膜をやぶり生地を中から押し上げることができるんですね。


焼成時にオーブン庫内の温度が低いと、水分の蒸発までに時間がかかりきれいにクープが開きません。

焼成時のオーブン庫内のスチームが多すぎる

フランスパンを焼くときに必須なスチームも、量が多すぎるとクープが開かなくなってしまいます。

【小麦粉・酵母・塩・水】だけで作るフランスパンは、砂糖や卵が入る生地と比べてそのままでは釜伸びしにくいです。

そこでフランスパン生地の釜伸びを助けるために使うのがスチーム。

ただ、スチームの量が多いとせっかく入れたクープの切れ目どうしがくっついて開かないなんてことも。

クープが開かずにただ切り込みを入れただけ、になってしまいます。

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フランスパンのクープの入れ方のコツとポイント

クープナイフ

フランスパンのクープは包丁でもできますが、初心者の人ほど専用のクープナイフを使うことをおすすめします。

クープナイフはクープを入れやすいように刃の大きさやカーブなどが計算して作られています。

「クープを入れるのが難しい」と感じている人はまずクープナイフを使うことから始めましょう。


次に、クープの入れ方のコツを3つ紹介します。

  • フランスパンの種類によってクープナイフの持ち方を変えること
  • クープの長さと角度を揃えること
  • 手首ではなく肘ごと動かすイメージでナイフをひくこと

フランスパンの種類によってクープナイフを入れる角度を変える

フランスパンと言っても、大まかにバゲットのような細長い形状のものとカンパーニュのような丸い円形のものがあります。

それぞれに合わせてクープナイフを入れる角度を変えることがきれいなクープを入れるポイント。

  • バゲット:刃が外側に湾曲するように持ち、ななめ45度の角度に寝かせて生地に刃を入れる
  • カンパーニュ:クープナイフは鉛筆を持つようにして持ち、垂直の角度で生地に刃を入れる

クープの長さと角度を揃える

クープを1本だけ入れるならいいですが、何本も入れるのであれば長さと角度を揃えるようにしましょう。

クープの長さや角度がバラバラだと焼成時にムラができてきれいにクープが開きません。

長さや角度を揃えるのが難しい場合は、厚紙をガイドにしてクープを入れる方法も。

厚紙に入れるクープの長さだけ線を引き、フランスパンにあてながらクープを入れると長さや角度を揃えられますよ。

手首ではなく肘ごと動かすイメージでナイフをひく

きれいなクープは『生地表面、皮1枚をそぐような感覚』で入れられています。

力を入れすぎないですっとナイフをひくことが大事ですが、そのためにはクープナイフを持った手首ではなく肘ごと動かすイメージでナイフをひきましょう。

余計な力が入らず、きれいにクープがひけます◎

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フランスパンのクープが開かない理由と入れ方のコツまとめ

フランスパンのクープが開かない理由はひとつだけではありません。

生地の状態・焼成時のオーブンの状態をチェックしてどこがダメなのか知ることが大切です。

クープを入れるのは簡単ではありませんが、コツを押さえて何度も練習すればきっとうまくいくはず!

頭の中や紙の上でイメージトレーニングすることもおすすめです^^

関連記事:カンパーニュが底割れする原因はなに?対策と焼成時のポイント

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