
ふんわりと丸く大きく膨らんだカンパーニュ。
皮のパリッとした食感と中のモチっとした食感がおいしいパンです。
そんなカンパーニュも、大きくふんわりと焼くためにはしっかりとハリのある生地を作ることが大事。
カンパーニュの生地がだれると、焼いたときに見た目だけでなく味や食感にも大きな違いが出てしまうんです。
カンパーニュの生地がだれる・ゆるいときには必ず原因があるのできちんとチェックしておきましょう。
今回は、カンパーニュの生地がだれる原因についてまとめました。
カンパーニュの生地がだれる原因

- カンパーニュの生地がだれる原因として考えられるのは3つ。水分量が多い
- 生地のこねあげ温度が高い
- 過発酵になっている
水分量が多い
カンパーニュ生地の水分量が多いと生地がべたつきだれてしまいます。
「レシピ通りの水を入れた」という場合でも注意が必要。
なぜなら、その日の気温や湿度、小麦粉の種類によって吸水率が変わるためです。
水分は毎回レシピ通りにきっちり入れるのではなく、気温や湿度、小麦粉の種類に合わせて毎回微調整が必要です。
最初は水分量の調整が難しいかもしれません。
私も水分を入れすぎて「生地が全然まとまらない…」という経験を何度もしました^^;
何度かパン作りを行うと「だいたい水分量はこのくらいだな」と分かってくるようになるので、何度も実際にパン作りを試すのが一番です。
まずは、気温や湿度が高い日はいつもより水分量を少なめにするということを覚えておきましょう。
水分量が足りなければ、こねている途中で足せばいいんです。
水分量が多すぎて生地がべたついてしまうと調整が難しいので、水分はレシピ通りの量をきっかりと入れるのではなく、まずは少なめにして生地をこねてみてください。
生地のこねあげ温度が高い
カンパーニュ生地のこねあげ温度が高いと生地がだれてしまりのないパンになります。
成形して発酵させてもだらっとしたままで、ハリのある生地にはなりません。
カンパーニュはこねあげ後の温度が22~24℃になるように調整しましょう。
ちなみに菓子パン生地のこねあげ温度は26℃前後。
カンパーニュのこねあげ温度が低いのは、カンパーニュは低温で長時間発酵をとるパンだからです。
24℃前後というのは結構低く、手でカンパーニュ生地をさわってみるとひんやりします。
パン作りに慣れていれば触るだけでだいたいの温度が分かりますが、最初のうちは温度計を使って生地の中心部の温度をしっかり計ったほうが失敗しにくくおすすめです。
外気温が高い夏場は生地のこねあげ温度があっという間に高くなるので注意が必要。
- 材料を冷やす
- 冷房をつけて部屋の室温を下げる
工夫をすればこねあげ温度を下げることができるので、意識してやってみてください。
過発酵になっている
カンパーニュの生地を発酵させすぎる(過発酵の状態)と、生地がだれてゆるくなってしまいます。
過発酵の生地は自ら膨らむ力がなくなった状態なので、焼いたときにボリュームが出ずだらんとしたカンパーニュになってしまいます。
発酵の見極めは難しいですが、発酵不足の場合はまだ発酵時間を取ることで調整ができます。
過発酵を元に戻すことはできないので、最初のうちは「ちょっと早いかな?」という段階で発酵チェックを行いましょう。
- 捏ねあがった生地が発酵後に2~3倍の大きさに膨らんでいるか
- フィンガーテスト(生地の中央に打ち子を付けた指をそっと差し込むこと)をしてみて、空いた穴がそのままか少しふさがるくらいになるかどうか
「いつもと同じ発酵時間をとったのに過発酵になった」という場合は、生地のこねあげ温度が高すぎたことが原因のひとつ。
もし、カンパーニュ生地のこねあげ温度が25度以上になったときはいつもより発酵の時間を短くとりましょう。
カンパーニュの生地がだれた状態で焼くとどうなる?

カンパーニュの生地がだれた状態で焼くと、膨らみのないべたっとした重たい食感のカンパーニュになってしまいます。
カンパーニュの生地がだれた状態というのは、生地の中のグルテンが弱くなっているということ。
パン生地はグルテンとイースト菌が作用して炭酸ガスを発生させることで膨らみますが、グルテンの力が弱いとパンが水から膨らむ力もありません。
なので、オーブンに入れて焼いても上に膨らまず横にだらっとだれた焼き上がりになってしまうんですね。
膨らまないカンパーニュは目が詰まっており固い食感。
また、過発酵が原因で生地がだれた場合は、生地の中の糖が分解されてしまっているので生地にうまみがなくおいしくありません。
食べられないことはないですが、生地がだれていないハリのあるカンパーニュと比べると見た目・食感・味ともに大きな違いが現れます。
カンパーニュの生地がだれてゆるいときの対処法はある?
カンパーニュの生地がだれてゆるいとき、残念ながら対処法はありません。
ただ、カンパーニュの生地がだれる原因が『生地の温度が高い』のであれば、こね終えた生地を冷蔵庫で3分ほど冷やすことで生地温度を下げることができます。
しかし、カンパーニュの生地をこねあげて発酵も済んでいる状態で生地がだれてゆるいなら、どうすることもできません。
焼いてしまってそのまま食べるか、焼き上げてから他の料理にアレンジして食べきってしまいましょう。
カンパーニュを薄くスライスしてラスクにすれば、食感や味も気にならなくなりおすすめです!

カンパーニュの生地がだれる原因と対処法まとめ
- カンパーニュの生地がだれる原因は、水分量が多いこと・生地のこねあげ温度が高いこと・発酵のさせすぎが考えられる
- カンパーニュの生地がだれた状態で焼くと、ふくらみのないべたっとした重たい食感のカンパーニュになる
- こねあげ温度が高くカンパーニュの生地がだれた場合、発酵前なら冷蔵庫で生地を3分ほど冷やすことで生地の温度を下げることができる
カンパーニュの生地がだれる原因はひとつではありません。
こねる前の水分量・こねあげ温度・発酵とどこかの段階でミスがあると、そのまま後からの作業にも響いてしまいます。
カンパーニュの生地を発酵させる前ならなんとか対処できないこともないので、ひとつひとつの作業を確認しながら行っていきましょう。