カンパーニュでよくある失敗が底割れすること。
底割れしたカンパーニュは見た目にも美しくないし、食べたときの食感もよくありません。
カンパーニュは時間をかけて作るパンだから、上手に焼きあがったら踊りたくなるほど嬉しいし、反対に思うように焼きあがらないとすごくがっかりしますよね。
でも大丈夫!
カンパーニュが底割れする原因はほんの些細なこと。
でも、その原因をしっかりと突き止めれば、少しのコツを押さえるだけで底割れしないカンパーニュが焼けるようになりますよ^^
今回は、カンパーニュが底割れする原因や底割れを防ぐためのコツについてまとめました。
カンパーニュが底割れする原因
カンパーニュが底割れする原因は4つ考えられます。
- 生地が乾燥しているため
- 生地の発酵が不足しているため
- クープが浅いため
- 下火が弱いため
生地が乾燥している
カンパーニュの生地が乾燥していると、オーブンで焼いたときに先に乾燥した部分(表面)から焼き固まってしまいます。
本来なら生地の中からじっくりと上方向に生地が伸びていくのですが、先に表面が焼き固まると生地が思うように上に伸びません。
行き場をなくした生地がどこにいくかというと、最後に火が通る箇所、つまり底にむかって伸びます。
結果、カンパーニュが底割れしてしまうんですね。
また、蒸気をたっぷりあてて焼くカンパーニュでよくあるのが、焼いている最中に蒸気が足りなくなること。
蒸気が足りないと生地が思う存分伸びるまでに乾燥しきってしまうので、結果底割れを招いてしまいます。
生地の二次発酵が不足している
カンパーニュの二次発酵が足りないと生地が底割れしてしまいます。
成形の際に生地をしめたカンパーニュは、二次発酵で膨らみながら生地にゆとりを持たせます。
この時に二次発酵が不足していると生地はゆとりがなくパンパンの状態。
カンパーニュはオーブンで焼くときにさらに膨らんで伸びていくのですが、生地にゆとりがないと上に伸びることができません。
本来であれば上部に伸びていくはずの生地ですが、上部にはいけない。
そのため、最後に火が通る底に向かって伸びていき底割れを起こすというわけです。
クープが浅い
カンパーニュに入れるクープには見た目だけでなく生地を膨らみやすくするという役目があります。
そのため、クープが浅いと生地が思うように上部に膨らみきらずに底割れを起こしてしまう原因に。
クープの深さが適切で、きちんと開いていれば底割れはしていないはずです。
下火が弱い
二次発酵で膨らんだカンパーニュは、最終オーブンで焼き上げるときに一気に生地を膨らませます。
これを『釜伸び』というのですが、オーブンの下火が弱いとカンパーニュの生地温度が思うように上がらずに釜伸びしにくくなってしまうんですね。
釜伸びできない生地が向かって伸びるのは最後に火が通る底の部分。
本来なら上部に向かう生地が底に向かうことで底割れを起こしてしまいます。
カンパーニュの底割れの対策とポイント
カンパーニュの底割れの原因が分かったところで、次は上手に焼くためのポイントを見ていきましょう!
- 充分に二次発酵の時間をとること
- クープは適切な深さで入れること
- 生地が乾燥しないように焼く前に霧吹きをすること
- オーブンのスチーム機能で庫内に充分な蒸気を用意すること
- オーブンの予熱の際に天板も一緒に温めておくこと
充分に二次発酵の時間をとる
カンパーニュを作る時は十分に二次発酵の時間をとりましょう。
もちろん過発酵はよくないので、見極めが大切です。
この二次発酵の見極めが難しいのですが、カンパーニュの場合は『ちょうどいい発酵の少し手前』で二次発酵を完了させましょう。
二次発酵後の生地を少し指で押してみて、指の跡が時間をかけてゆっくり戻ってくるぐらいが目安です。
カンパーニュはオーブンで焼くときに釜伸びで生地を膨らませたいパン。
充分に発酵の時間はとるけど、少しの伸びしろを残しておくというのが大切です。
分かりにくいかもしれませんが…こればっかりは何回も焼いて自分で経験しないと分かりませんね^^;
クープは適切な深さで入れる
カンパーニュのクープと言えば十字に伸びた長めのクープ。
一度にすっと入れるのが理想ですが、難しければ何度かにわけてクープを入れて大丈夫!
クープが浅いときも何度も入れて深さを足してもいいんです。
カンパーニュのレシピによっても深さは変わりますが、最初は5㎜ほどの深さから始めて様子をみてもいいと思います。
生地が乾燥しないように焼く前に霧吹きをする
カンパーニュにクープを入れたら、霧吹きを使って全体に水分を補いましょう。
霧吹きをかけるときは50㎝ほど離れた位置から行うと、全体に均一に水分がかかります。
近いと一部分だけ水分量が多くなって焼き上がりにムラが出てしまうので注意してくださいね。
オーブンのスチーム機能で庫内に充分な蒸気を用意する
カンパーニュをきれいに焼くためには、釜伸びが終わるまで生地を乾燥させないことが大切です。
焼く前に霧吹きで水蒸気をかけても、長時間焼くカンパーニュはどうしても途中で生地が乾燥してきます。
なので、オーブンのスチーム機能を使って乾燥しないように手助けしてあげてください。
オーブンにスチーム機能がない場合は、一時的にでも蒸気を発生させるだけでも多少は効果があります。
方法としては、タルト生地を焼くときに使うタルトストーンをオーブンの予熱の際に一緒に入れておき、カンパーニュを入れる直前に熱湯をかけて蒸気を発生させるものがあります。
ただし、オーブンによっては故障の原因になることも…。
試す際は自己責任でお願いします。
オーブンの予熱の際に天板も一緒に温めておく
カンパーニュを底割れしないためにはオーブンの下火が大切です。
下火が設定できるオーブンであればレシピ通りに温度を設定して余熱を忘れずに行いましょう。
しかし、家庭用のオーブンで下火が設定できるものってあまりないんですよね。
なので焼いている間少しでもカンパーニュの生地温度が上がるように、天板も一緒に予熱で温めておくといいですよ。
予熱が済んだ天板は熱々なので火傷しないように注意してくださいね。
カンパーニュが底割れする原因と対策まとめ
カンパーニュの底割れを防ぐためのポイントをまとめました。
- カンパーニュは指で押した跡が時間が経ってゆっくり戻ってくるぐらい二次発酵の時間をとる
- 5㎜ほどの深さのクープを入れたら霧吹きで全体的に水をかける
- オーブンの予熱するときに天板も一緒に入れて、たっぷりの蒸気の中でカンパーニュを焼く
カンパーニュはほんの些細なことで底割れが起きてしまいます。
カンパーニュを作る時は生地の状態をよくチェックすることも大事ですが、オーブンの準備も大事なポイント。
焼く直前に慌ててしまうと、生地が乾燥したり庫内の温度が下がったりで思ったようにカンパーニュが焼けません。
準備ができたらすぐにオーブンに入れれるように、事前に確認しておきましょう。
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