スペルト小麦のパンが膨らまない原因は?ふくらませるためのポイントについても

スペルト小麦のパンが膨らまない原因は?ふくらませるためのポイントについても

「古代小麦」と呼ばれているスペルト小麦で作ったパンは、独特の風味と口どけの良さで人気があります。

ネットでもスペルト小麦が手に入るようになってきたので、自宅でスペルト小麦を使ったパン作りにチャレンジしている人も多いですよね。

ただ、スペルト小麦は一般的な強力粉と性質が違うため、いつものパン作りと同じように作るとスペルト小麦のパンが膨らまない…なんてことも。

せっかくのスペルト小麦だから上手に使いこなしたいですよね。


そこで今回は、スペルト小麦のパンが膨らまない原因について、またスペルト小麦のパンをふくらませるためのポイントについてまとめました。

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スペルト小麦のパンが膨らまない原因

スペルト小麦のパンが膨らまない原因
私が初めて焼いたスペルト小麦のパン。全然膨らみませんでした

スペルト小麦のパンが膨らまないのは、含まれるグルテンの性質が一般的な強力粉とは違うことが原因です。


パンが膨らむのは、小麦粉の中のグルテンとイースト菌などの酵母が作用し炭酸ガスを発生させるから。

発生した炭酸ガスが膨張することで生地が膨らみます。


このグルテン、【グルテニン・グリアジン】という2つの性質からできています。

グルテニン手で伸ばすと伸びる弾性
グリアジンベトベトとして粘性

グルテニンとグリアジンが合わさることでグルテンとなり、発生した炭酸ガスを保持する力となります。

グルテンが少ないと発生した炭酸ガスを膨らませることができないので、パンを膨らませるためにはバランスの良いグルテンを作ることが大事なんですね。


スペルト小麦の場合、グルテニンとグリアジンのバランスが一般的な強力粉と違います。

グルテニン<グリアジンとなっているので、パン生地を作ると非常に粘り気のある生地に。

粘り気のある生地は口どけの良さが特徴ですが、コシがなくダレやすい生地となるので、スペルト小麦で作ったパンは膨らみにくいというわけです。


スペルト小麦を使ってパンを作るのであれば、スペルト小麦の性質を理解して作る必要があります。

一般的な強力粉と同じように作ると「思ったよりふくらまない…」と失敗してしまうことが多いんですね。

私もそうでした。

ただ、性質を理解してポイントを押さえれば、スペルト小麦のパンもふくらませることはできます!

次の項目で、大事なポイントを詳しくみていきましょう。

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スペルト小麦のパンをふくらませるポイント

スペルト小麦

スペルト小麦を使ってパンをふくらませるポイントは全部で3つ。

  • スペルト小麦専用のレシピで作ること
  • パンチの回数を増やすこと
  • 高温で一気に焼き上げること

スペルト小麦専用のレシピで作ること

スペルト小麦でパンを作るときは、一般的な強力粉で作るパンのレシピではなく、スペルト小麦専用のレシピを参考にしましょう。 

スペルト小麦は、一般的な強力粉に比べて【水和性(小麦粉の粒子と水分が結びつきやすいこと)】が高いのが特徴。

適正な水分量も変わってくるので、ただ強力粉をスペルト小麦に置き換えただけではうまくパン生地が膨らみません。

何度もパン生地を作っていくうちに感覚で必要な水分量なども分かってくるのですが、慣れないうちはスペルト小麦を使った専用のレシピを参考にすると失敗しにくいです◎

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パンチの回数を増やすこと

スペルト小麦を使ったパン生地の場合は、いつもよりパンチの回数を増やすことを意識してください。


パンチとは、発生した炭酸ガスを抜く作業のこと。

主に発酵後に行われますが、通常のパン作りではせいぜいパンチの作業は1~2回だと思います。


スペルト小麦のパンをふくらませようと思ったら、パンチは発酵の最中にも行うといいでしょう。

1時間の発酵であれば20分ごとに1回パンチを行うのが目安です。

レシピや発酵時間によっても変わるのであくまで目安ですが、発酵中にも適度にパンチを行うことでグルテンが炭酸ガスを抱え込む力が強くなります。

結果、パン生地がより膨らみやすくなるというわけです。


また、パンチを行うことで生地内の温度が均一になるのもポイント。

温度のムラは発酵の進み具合にも関わってくるので、パンチをして温度を整えてあげましょう。

高温で一気に焼き上げること

スペルト小麦で作った生地は、高温で一気に焼き上げましょう。

生地がダレて横に広がってしまう前に、高温でパンの外側を形作ってしまうイメージですね。

ただ、レシピによって焼成温度はさまざまなので、一丸に高温にすればいいというわけでもありません。

この点からも、スペルト小麦でパンを作るのであれば、高温で一気に焼き上げるリーンなパン(バゲットやカンパーニュなどいわゆるハード系)がおすすめと言えるでしょう。

リーンなパンは、バターや砂糖などが入らない分、よりダイレクトにスペルト小麦の独特の風味を楽しめますよ^^

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スペルト小麦のパンが膨らまない原因は一般的な強力粉とグルテンの性質が違うため

スペルト小麦は一般的な強力粉とグルテンの性質が違います。

そのため、スペルト小麦のパンはダレやすく縦にボリュームが出にくくなっているんですね。

スペルト小麦のパンをふくらませるためには、このダレやすい性質を理解した上で生地を作るのがポイントです。

慣れないうちは、一般的なパンのレシピでスペルト小麦を置き換えるのではなく、スペルト小麦を使った専用のレシピを探すのをおすすめします◎

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