
見た目も食感も固いフランスパン。
他のパンに比べて焼き上がりの水分量が少ないのでカビにくいパンではありますが、フランスパンはカビないわけではありません。
保存状態が悪いとカビることもあるので注意が必要です。
今回は、フランスパンがカビないというのは間違いだということ、フランスパンにつく白い粉の正体についてまとめました。
フランスパンはカビないの?

フランスパンはカビないわけではありません。
製造から日数が経過していたり保存状態が悪いとフランスパンもカビてしまいます。
フランスパンがカビないと思われているのは、焼きあがったフランスパンが固いためではないでしょうか?
食パンや菓子パンに比べてクラスト(皮)が固く一見水分量が少なそうに見えるフランスパンですが、実は原材料の割り合いを見るとパンの中でもフランスパンはとても水分量が多いんです。
高温でしっかりと焼いているため水分が蒸発しているのですが、一丸に『フランスパンは水分が少ない』というのはちょっとした間違いなんですね。
そして、例え高温でしっかりと焼いたからといって水分量が全くなくなるわけではありません。
外側のクラスト(皮)は固いですが、クラム(中身)は水分を含んでやわらかくモチモチとした食感。
そのため、フランスパンも他のパンと同じようにカビることは普通です。
フランスパンの白い粉はカビ?

フランスパンをよく見ると表面に白い粉が付いていることがあります。
「もしかしてカビ?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫!
フランスパンの保存状態が問題なく賞味期限内であれば、カビではなく小麦粉である可能性が非常に高いです。
数あるパンの中でも、フランスパンは粉に対する水分量(加水量)が多いです。
作る人によっても変わるので絶対ではありませんが、菓子パン生地が加水量65%ほどなのに対して、フランスパンは70%多いものだと80%になるレシピもあります。
5~10%の違いですが、パン作りにとって加水量はとっても重要。
ほんの少しの差で生地の扱いやすさが変わるんです。
加水量70~80%のフランスパンは生地がとてもべたつくので、捏ねないで畳むようにして生地を作る方法もあるほど。
成形時もそのままだと作業台や手にくっついてどうしようもないので、成形しやすいように小麦粉をふります。
これを打ち粉というのですが、打ち粉は焼いてもそのまま小麦粉の状態で残ります。
パンを作る人はできるだけ打ち粉が残らないように気をつけますが、フランスパンは打ち粉を使う場面が多いためにどうしても残りやすくなっています。
小麦粉は白いのでカビと間違えるのも無理ないかもしれませんね。
小麦粉なので、白カビと違い口にしても健康に害はありません。
問題はないので安心して食べてください◎
フランスパンのカビの見分け方

フランスパンについている白い粉は小麦粉であることがほとんどですが、時にはカビである可能性もあります。
カビでも黒カビや青カビなら見つけやすいですが、白カビは見えにくいことも…。
誤って口にしてしまわないようにフランスパンのカビの見分け方を確認しておきましょう。
見分け方のポイントは3つ。
- 見た目
- 臭い
- 味
見た目
- 粘り気がある
- ふわふわとした胞子のようなものがある
小麦粉とカビは見た目がよく似ていますが、小麦粉は手で振り払うとある程度落とすことができます。
反対に、カビだと粘り気があるので手で振り払ったぐらいでは落とせません。
ふわふわとした胞子のようなものがあるのも、小麦粉ではなくカビの特徴です。
臭い
- 鼻にツンとくる刺激臭がする
フランスパンは小麦の香ばしい匂いがたまりませんよね。
しかし、傷んでカビたフランスパンからは小麦の匂いはしません。
白いものがあって鼻にツンとくる嫌な刺激臭がしたら、そのフランスパンは食べないようにしましょう。
味
- 酸味を感じる
カビたフランスパンを食べると味の面でも異変があるのが分かります。
パンは発酵させすぎると酸味が出てきますが、一口食べていつもと違うような酸っぱさを感じたらカビが繁殖しています。
すぐに口から吐き出してください。
カビが表面に出てきているということはパン全体に見えないカビの菌が広がっている状態です。
カビた部分だけ取り除いたとしてもカビを除去できるわけではないので、一部分でもカビたフランスパンは食べないで処分しましょう。
まとめ:フランスパンもカビるので保存に注意
フランスパンは他のパンに比べて焼き上がりの水分量が少ないため、カビにくくなっています。
しかし、保存食ではないためフランスパンも保存状態が悪かったり製造から時間が経過していればカビてしまうもの。
フランスパンによくある白い粉は小麦粉であることがほとんどですが、臭いや味に異変があるフランスパンの場合カビのことが多いです。
カビは口にすると健康を害してしまうので、きちんと小麦粉かカビか見極めるようにしましょう。
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