ほぼ品種改良が行われず、約9000年前から栽培されているスペルト小麦。
栄養価の高さやそのおいしさからここ最近耳にする機会が増えてきたように思えます。
「スペルト小麦で作ったパンはおいしい」なんて聞くとぜひ使ってみたい!なんて思いますが、気になるのはスペルト小麦の使い方。
いつもの小麦粉と同じように使ってもいいのでしょうか?
そこで今回は、スペルト小麦の使い方について、おすすめのパンやお菓子のレシピと共にまとめました。
スペルト小麦の使い方
スペルト小麦は粒のまま使う方法と製粉して使う方法があります。
粒のスペルト小麦の使い方
スペルト小麦の粒はそのまま料理に使うことができます。
あまりなじみがないかもしれませんが、イタリアではスペルト小麦を使ったスープ【ズッパディファッロ】が一般的によく食べられているんです。
スペルト小麦の粒を煮込むとパスタのような食感になるので、食事にボリュームを出したいときスペルト小麦の粒は便利ですね◎
煮込み料理のほかには、サラダのトッピングとしてもスペルト小麦は使えます。
サラダのトッピングにするときは、スペルト小麦をコンソメスープで煮るなど下味をつけておくと馴染みが良くなりますよ◎
粉のスペルト小麦の使い方
使い勝手の良さで言えば、製粉したスペルト小麦のほうが上。
パンやお菓子はもちろん、うどんやスパゲティといった中力粉を使う料理もスペルト小麦で作ることができるんです。
ただ、スペルト小麦は普通の小麦とグルテンの性質が違います。
グルテンとは小麦粉を水で練ったときにできる粘りや弾力のことで、パンや麺を作ったときの食感となるもの。
スペルト小麦は弾力のあるグルテン質が少ないため、スペルト小麦だけで作ったパンや麺はモチモチの食感にはなりません。
それはそれでおいしいのですが、食べなれたいつもの食感を求めるのであれば、スペルト小麦に普通の小麦をブレンドしてパンや麺を作ってみましょう。
スペルト小麦はどんなパンやお菓子に向いてる?
スペルト小麦をパンやお菓子に使うのであれば、材料がシンプルなものがおすすめです。
なぜかというと、材料がシンプルなほうがスペルト小麦の風味を生かし存分に味わえるから。
パンで言うと、バゲットやカンパーニュなどハード系のもの。
お菓子なら、クッキーやパウンドケーキ。
生地を味わうものをスペルト小麦で作ると、普通の小麦粉で作った場合との違いを実感しやすいです。
もちろん、他のパンやお菓子が作れないわけではありません。
スペルト小麦を食べたことがないなら、まずは味が分かりやすいものから作って、それから自分好みにアレンジしていくといいでしょう^^
スペルト小麦を使ったパンやお菓子のレシピ
ここからはスペルト小麦を使ったパンやお菓子のレシピを紹介します。
スペルト小麦は普通の小麦とグルテンの性質が違うため、レシピの小麦粉をスペルト小麦に置き換えただけでは失敗してしまうことがあります。
おいしく作るには、まずはスペルト小麦専用のレシピで作ってみること。
いくつか作ってみて、コツがつかめたら自分なりにアレンジしてみてくださいね。
スペルト小麦のカンパーニュ風
一見手間がかかりそうなハード系のパンですが、スペルト小麦を使えば捏ねないで済む分手軽にチャレンジできます。
スペルト小麦でパン生地を作るとどうしても生地がダレやすいのですが、発酵途中でパンチを加えることでグルテン膜を強くし生地が膨らむ力を強化しています。
また、幅の狭めなケーキ型に入れて焼くことで焼成時に生地がダレるのを防ぐのもポイント。
ただ、必ずしも型に入れる必要はありません。
型に入れないで丸く焼けばその分香ばしさがアップしますし、型に入れて焼けば生地がきめ細かい食感に。
同じ生地でも焼き方で風味や食感の違いを楽しめますよ◎
スペルト小麦のクッキー
スペルト小麦は水を加えると粘りが出やすくなるので、生地を作るときは決して練らないのがポイント。
ゴムベラで切るようにさっと全体を混ぜ合わせましょう。
レシピでは豆乳を使っていますが牛乳でも代用できますよ^^
スペルト小麦の使い方まとめ
スペルト小麦の使い方は、普通の小麦粉と同じ。
パンやお菓子だけでなく、スパゲティやうどんなど本来は中力粉を使う麺料理にもスペルト小麦は使えます。
スペルト小麦ならではの使い方がしたいのであれば、粒のままスープやサラダのトッピングにするのがおすすめ。
また、パンやお菓子に使うならまずはシンプルな材料で生地を味わうものから作りましょう。
独特の風味と味わいがあり、そのままでも十分おいしくなりますよ^^
スペルト小麦の配合で食感も変わるので、いろいろと配合を変えて自分好みの食感を見つけてくださいね。
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