パン屋に行くと実にさまざまな種類のパンが売られていますが、その多くのパンはハード系パンとソフト系パンに分けられます。
ハード系パンとソフト系パンの違いを簡単に言うと、食べたときの食感です。
しっかりした噛み応えのある食感と、ふわふわのやわらかい食感。
ハード系パンとソフト系パンの違いを知っておくと、パン屋でパンを選ぶときだけでなくパンを手作りする時にも参考になりますよ。
今回は、ハード系パンとソフト系パンの違いや種類についてまとめました。
ハード系パンとソフト系パンの作り方や材料の違いと特徴
材料
ハード系パン | 小麦粉・酵母・塩・水 |
ソフト系パン | 小麦粉・酵母・塩・水・砂糖・卵・油脂など |
ハード系パンの材料は基本的に【小麦粉・酵母・塩・水】の4つだけ。
全粒粉をブレンドしたり具材としてチョコチップやナッツ等使うこともありますが、砂糖・卵・油脂が入ることはほとんどありません。
このようにシンプルな材料だけで作ったパン生地のことを『リーンな生地(パン)』と呼びます。
ソフト系パンは【小麦粉・酵母・塩・水】といったリーンな生地に、砂糖・卵・油脂といった副材料が多く入ります。
こちらは『リッチな生地(パン)』と呼ばれています。
いわゆる菓子パンやウインナーロールといった調理パンに多く使われていますね。
パンによっては水の代わりに牛乳や豆乳といった別の水分を使うことも。
作り方・焼き方
ハード系パン | スチームをあてて焼く |
ソフト系パン | スチームはあてないで焼く |
ハード系パンの特徴は、作り方(焼き方)にもあります。
それは、スチーム(蒸気)をあてながら焼くということ。
【小麦粉・酵母・塩・水】の4つの材料だけで作られるハード系のパンはリーンな生地と呼ばれています。
リーンな生地は卵や砂糖がたっぷり入ったリッチな生地に比べて、生地が伸びにくくオーブンに入れたときも膨らむ力があまり強くありません。
そこで、役に立つのがスチーム。
スチームをあてながら焼くと、パン生地の表面が湿った状態になりますよね。
パン生地は先に表面が焼き切ってしまうとそれ以上中の生地が膨らみきりません。
なので、表面の生地が焼けるのを遅らせるためにスチームをあてるというわけです。
スチームはハード系パンがオーブンの中で十分に膨らみ切る手助けをしています。
一方、ソフト系パンを焼くときにスチームをあてることはほとんどありません。
なぜなら、ソフト系パンは卵や砂糖・油脂が含まれている分とても膨らみやすい生地だから。
スチームを入れなくても生地が持つ膨らむ力だけで十分なんです。
ソフト系パンにスチームをあてると、逆に火の通りが悪くなったりパン生地表面にシワが寄る原因になるので注意しましょう。
食感
ハード系パン | 皮はパリパリで中身はもっちりとした歯ごたえがある食感 |
ソフト系パン | 皮と中身で食感にあまり差がなく、ふわふわの食感 |
ハード系パンは、食べたときの皮と中身の食感に違いがあるのが特徴。
皮はパリっと固く中身はもちっと、食べたときにしっかりとした歯ごたえを感じられます。
ソフト系パンは皮と中身で食感にあまり差はありません。
全体的にふわふわだったりやわらかい食感は、副材料である卵や砂糖、油脂によるもの。
糖分が多い分しっかりとした焼き色がつきやすいのもソフト系パンの特徴です。
ハード系パンとソフト系パンの種類
ハード系パンとソフト系パンの種類をまとめたものがこちら↓
- ハード系パン
- ソフト系パン
- バゲット
- カンパーニュ
- リュスティック
- あんパン
- クリームパン
- 総菜パン
ハード系パンの代表格といえばフランスパンではないでしょうか?
バゲットやバタールといったフランスパンの代名詞とも言えるパンはほぼハード系パンに分類されます。
ソフト系パンは世界中にありますが、個人的に日本の菓子パンがソフト系パンの代表格のようなものかなと思います。
あんパンやクリームパン、ウインナーロールやコッペパンなどはソフト系パンでよく作られていますね。
ただ、ハード系パン・ソフト系パンとは厳密に分別が決まっているものではありません。
例えば、食パンなんかは材料はシンプルでハード系パンに分類されますが、食感はふわふわでソフト系パンの特徴と同じ。
いったいどっちに分類されるの?と思いますが、ハード系・ソフト系は食感の差を表している言葉なので、個人的にも食パンはソフト系パンに分類されると思います。
ハード系パンとソフト系パンの違いまとめ
- ハード系パンとは、シンプルな材料で作られた皮と中身で食感に違いがあるパンのこと
- ソフト系パンとは、ハード系パンの材料に副材料を加えてふわふわの食感に仕上げたパンのこと
ハード系パンとソフト系パンの違いは材料や作り方(焼き方)などありますが、一番は食感の違いかなと思います。
噛むほどに小麦のうま味が噛みしめられるハード系パンと、ふわふわやわらかく食べやすいソフト系パン。
どちらも小麦粉が原料なのにちょっとした材料や焼き方で違いが出るのはおもしろいですよね。
最近では、ハード系パンとソフト系パンのちょうど半分くらいの食感の「ソフトハード系パン」なんてものもあるので、ぜひ食べ比べてみてください^^
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