ドイツパンの種類は数千種類とも言われています。
世界一とも言えるほど種類があるドイツパンですが、具体的にどんなものをドイツパンと呼ぶのかはあまり知られていないような気がします。
そこで今回は、ドイツパンの種類と特徴についてまとめました。
ドイツパンというとなんだか酸っぱいイメージがあるかもしれませんが、それはたくさんあるドイツパンの中の数種類に限ったこと。
味も食感もさまざまなドイツパンを紹介するので、ぜひお気に入りを見つけてくださいね!
ドイツパンの種類と特徴
ドイツパン全体の特徴としては、小麦粉よりもライ麦を使っていることが挙げられます。
- ロッゲンブロート:ライ麦比率90%以上
- ロッゲンミッシュブロート:ライ麦比率50%~90%以下
- ミッシュブロート:ライ麦比率50%
- ヴァイツェンミッシュブロート:ライ麦比率10%~50%以下
- ヴァイツェンブロート:ライ麦比率10%以下
ライ麦比率が多くなるほど、どっしりとした食感・酸味のある味わいになります。
これは、ライ麦にはイーストと作用してパンを膨らませる働きをするデンプン質が含まれていないため・サワー種という酸味のある発酵種を使ってパン生地を膨らませるため。
初めてドイツパンを食べると、その食感や酸味に驚くかもしれません。
食べなれていない人は、ライ麦比率が少なく小麦粉が多く入ったミッシュブロートやヴァイツェンミッシュブロートが食べやすいと思います^^
ドイツパンの特徴が分かったところで、次はドイツパンの種類を見ていきましょう。
数千種類もあると言われているドイツパンですが、その中からドイツのパン屋では必ず置いてあるであろう有名なものを10個紹介します。
プレッツェル
プレッツェルはラテン語で『腕』という意味。
その名の通り腕を組んだような見た目で、ドイツ発祥のパンとしては最も有名ではないかと思います。
ライ麦を原料にしていることが多いドイツパンの中で、プレッツェルは小麦粉が原料。
ツヤツヤとしておいしそうな茶色の照りは、生地を焼く前にカセイソーダ液にくぐらせていることで生まれます。
日本ではビールと一緒に食べることが多いですが、プレッツェルは作り方によって食感や味が変わります。
ビールに合う塩気の強いものだけでなく、甘みが強いもの・モチモチとしたもの・カリっとしたものとさまざま。
自分の好みのプレッツェルを見つけるのも楽しいですね^^
プンパニッケル
ドイツのウエストファーレン地方発祥の伝統的なパンであるプンパニッケル。
ライ麦比率が50~90%以下のロッゲンミッシュブロートの一種です。
黒い見た目以上に特徴的なのはその製法で、なんと16~20時間かけて低温でじっくり焼き上げるというから驚きですよね。
「そんなに長時間焼いたらパサパサに固くなるんじゃ?」と思うかもしれませんが、水分の多い生地を蒸し焼きにすることでもっちりとした食感になるんです。
長期保存が可能なので、非常食として自宅に常備しておくといいかもしれません。
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フォルコンブロート
フォルコンブロートは全粒粉を使って作ったパンのこと。
ライ麦の全粒粉を使ったものをロッゲンフォルコンブロート・小麦の全粒粉を使ったものをヴァイツェンフォルコンブロートと呼びます。
食物繊維やミネラルが豊富な全粒粉に加えて、ヒマワリの種やあわ・ひえ・大麦といった穀物もブレンドすることが多いので、全体的に栄養価の高いパンとして注目を浴びています。
ミッシュブロート
ライ麦粉と小麦粉をちょうど半々ずつ使用したのがミッシュブロート。
ドイツパンの中でも小麦粉の比率が割と多いので食べやすくなっています。
魚にも肉にもあうオールマイティーなパンとして、ドイツでは食事の際に一緒に食べられることが多いんだとか。
ライ麦を使ったドイツパンを食べてみたいけど、クセが強いのは口に合うか心配…という人は、まずミッシュブロートから始めてみるのをおすすめします◎
シュヴァルツヴァルトブロート
シュヴァルツヴァルトブロートは、ドイツのシュヴァルトヴァルト地方発祥の伝統的なドイツパン。
地名以外にも『黒い森』という意味があり、パンの表面が黒いのが特徴です。
これは、生地を焼くときに表面に糖蜜を塗っているため。
黒い見た目は重量感がありますが、実際のシュヴァルトヴァルトブロートもずっしりとした重みがあります。
レーズンやイチジクといったドライフルーツを生地に混ぜ込んで焼くことも多く、食べ応えのあるパンです。
クルミを入れてもおいしそうですよね^^
セーレン
ドイツのシュヴァーベン地方発祥の伝統的なパンであるセーレンは、万霊祭の際に供え物として作られていました。
特徴は水分たっぷりのもっちりとした生地。
表面のパリッとした食感との違いが楽しいパンです^^
ただ、水分が多いということはそれだけ生地が扱いづらいということでもあるので、作るのが難しいパンとされています。
一般的にパンは生地を丸めて成形しますが、セーレンは濡らした手で生地をすくいとるようにして成形するんだとか。
どうして作るのが難しくなりまで水分量を増やすのか気になりますよね。
その理由は、セーレンが生まれた時代はまだ小麦粉が貴重だったため。
貴重な小麦粉をあまり使わなくても済むように水の量が多くなったそうです。
セーレンは先人の知恵が詰まったパンなんですね。
シュトゥーテン
ライ麦比率10%以下のシュトゥーテンは、小麦粉を主体に作られています。
さらにイーストを使って生地を膨らませておりサワー種特有の酸味がないために、私たちがよく食べている菓子パンに最も近い味わいのパンです。
シュトゥーテンの中でも、たっぷりのナッツやドライフルーツを加えて焼いたものは『ヴォッヘンエンデシュトゥーテン』と呼ばれています。
『ヴォッヘンエンデ(週末)』という名前の通り、1週間頑張ったご褒美として週末に味わってみるのもいいですね^^
シュトーレン
日本でもクリスマス時期に食べるお菓子として馴染み深いシュトーレンも、ドイツ発祥の伝統的なパンのひとつ。
クリスマスの4週間前から薄くスライスしたものを少しずつ食べながらクリスマスを待つのが、ドイツの人達のクリスマス前の過ごし方です。
現在のドイツではシュトーレンを作る際に粉に対してバターを30%以上、ラム酒とハチミツに漬けたドライフルーツを60%入れていることが規定されているんだとか。
粉に対して60%以上のドライフルーツって結構な量ですよね!
日本で販売されているシュトレーンは食べやすいようにアレンジされていることも多いです。
チョコレートが入ったもの・抹茶味のものなどさまざまなので、自分のお気に入りのシュトレーンを見つけてみてください^^
シュトロイゼルクーヘン
そぼろを意味する『シュトロイゼル』がお菓子を意味する『クーヘン』にのっている、まるでケーキのようなドイツのパンです。
小麦粉を使った生地なので「ケーキと何が違うの?」と思うかもしれませんが、そこはパンの仲間。
イーストで生地を膨らませているのでふんわりした弾力があるのが特徴です。
甘めのパン生地にバターや砂糖で作ったシュトロイゼルが合わさった甘党も満足できる甘いシュトロイゼルクーヘンはおやつとしても人気があります。
モーンシュネッケン
グルグルの渦巻きがまるでカタツムリのようなモーンシュネッケン。
モーンはドイツ語で『けしの実』のことで、サクサクのデニッシュ生地にたっぷりの黒けしの実ペーストが巻かれています。
けしの実に牛乳や砂糖を入れて甘く煮たけしの実ペーストはドイツではよく使われる食材。
日本でいうあんこのような存在なんだとか。
あんこが作る人によって味が変わるように、けしの実ペーストも店ごとに味が変わるのか気になりますね^^
ドイツパンのおすすめの食べ方と合う具材
ドイツパンの中でもライ麦比率の多いロッゲンブロートやロッゲンミッシュブロートなどは、そのまま食べるとボソボソした食感や酸味を感じて食べにくいかもしれません。
なので、ロッゲンブロート・ロッゲンミッシュブロートは薄くスライスして食べるのがおすすめ。
また、酸味のあるドイツパンはバターやチーズといった乳製品と相性抜群です。
薄くスライスしたドイツパンに好きな具材をのせて食べるのがドイツで一般的な食べ方なんですよ◎
- クリームチーズ+イチジク+はちみつ
- バター+ジャム
- チーズ+スモークサーモン+スライスオニオン
- バター+パテ+角切りトマト
合わせる具材に決まりはありません。
自分の好きなものをのせてドイツパンを楽しんでください♪
ドイツパンの種類と特徴まとめ
ドイツパンの種類と特徴をまとめました。
ドイツパンはライ麦を使っていることが多いですが、ライ麦の比率によって味や食感は変わります。
また、日本でも馴染みのある菓子パンに近いような甘いパンもたくさんあるのもドイツパンの特徴。
きっと自分好みのドイツパンが見つかるはずなので、パン屋に行った際はぜひドイツパンを探してみてくださいね。