シンプルな材料で作るフランスパンはパン作りの中でも上級者向けとされています。
特に難しいとされているのがフランスパンの発酵の見極め。
過発酵を恐れるあまりフランスパンが発酵不足なんてのはよくある失敗なんです。
今回は、フランスパンが発酵不足だとどうなるのか、フランスパンの発酵温度や時間の目安についてまとめました。
フランスパンが発酵不足だどどうなる?
フランスパンは発酵不足だとおいしくありません。
フランスパンに限らず発酵が必要な全てのパンに言えることですが、正しく発酵できていないパンは味も見た目もいまいちになってしまうんです。
具体的にどんな状態になるのか見ていきましょう。
- ボリュームが出ない
- イースト臭が残る
- 目が詰まって気泡が出ない
- クープが開かない
ボリュームが出ない
通常フランスパンは焼くとふっくらとしたボリュームが出ますが、発酵不足のフランスパンは焼く前と状態がほとんど変わりません。
多少膨らむこともありますが、発酵不足とはパン生地に膨らむ力が生まれていないということ。
オーブンに入れて焼いても膨らみが悪くボリュームのないフランスパンになってしまいます。
イースト臭が残る
イースト臭とはその名の通りイースト独特の臭いのこと。
手軽に使えるインスタントドライイーストが一番イースト臭が強く、天然酵母はイースト臭は弱めです。
基本的にきちんと発酵ができていれば、インスタントドライイーストを使ったとしても焼きあがったフランスパンからイーストの臭いはしません。
しかし、発酵不足のフランスパンというのはイーストと小麦粉に含まれるグルテンがうまく作用していない状態なので、焼きあがったときまでイースト臭が残ってしまうんです。
フランスパンは材料がシンプルな分、イースト臭を感じやすいもの。
小麦の香ばしい香りがフランスパンのおいしさのひとつでもあるのに、イースト臭が残っていたら残念ですよね。
目が詰まって気泡が出ない
発酵不足のフランスパンは炭酸ガスが発生していないということ。
焼き上げると中の生地がみっちりと詰まったようになり、フランスパン特有の気泡が出ていません。
目が詰まった生地というのは一見「モチモチしておいしそう」と思うかもしれませんが、食べてみると違いに気付くはず。
ねちゃっとした食感でまるで生焼けのようで、決しておいしいものではないんですね><
クープが開かない
発酵不足の生地には自分で膨らむ力がありません。
すなわち、クープを開けるために生地を中から持ち上げる力もないということ。
フランスパンには欠かせないクープが開かずに、ただ線を入れただけのような仕上がりになってしまうんです。
クープは見た目だけでなく、フランスパンの火の通りをよくする役目もあります。
おいしいフランスパンのためにはクープがしっかり開くことが必要条件というわけです。
フランスパンの発酵時間や温度の目安
フランスパンの発酵時間や温度の目安について、一次発酵と二次発酵にわけてみていきましょう。
一次発酵
一次発酵をとる温度によって発酵時間は変わります。
28℃の温度で発酵させる場合 | 1時間30分~2時間(途中30分ほどで一度ガス抜きを行う) |
低温発酵させる場合 | 28℃で30分→ガス抜き→28℃で30分→冷蔵庫で12~18時間 |
発酵器やホイロ、オーブンの発酵機能を使って一次発酵を行う場合、フランスパンのようなハード系パンは28℃で発酵させます。
発酵時間は1時間30分~2時間ほど。
オーバーナイトと呼ばれる冷蔵庫で低温発酵させる場合も、まずは28℃で少し発酵させてから冷蔵庫に入れて12~18時間発酵時間を取ります。
ポイントは、発酵の途中でガス抜きを行うこと。
【小麦粉・酵母菌・塩・水】の4つの材料だけで作られるフランスパンは、砂糖や油脂といった副材料がない分生地の膨らみが弱いです。
じっくり発酵時間をとるのがおいしいフランスパンを作るコツなのですが、発酵時間が長いと生地内に炭酸ガスがたまりすぎてしまうんですね。
そこで、途中でガス抜きを行うことで生地内の炭酸ガスの量を調整するというわけです。
ガス抜きには下記のような効果が。
- 生地のボリュームがアップする
- 生地のキメが整う
作る人やレシピによっては一次発酵の途中でガス抜きをしないこともありますが、一次発酵の時間が1時間以上になるようだったら生地の様子を見てガス抜きをおこなうのをおすすめします。
二次発酵
二次発酵は27~30℃で30~40分が目安です。
時間をかけてゆっくりと発酵させることで小麦の風味が増しておいしいフランスパンになります。
発酵温度が高いとその分早く発酵が進みますが、あまりに高い温度だと生地がダレたりせっかくの小麦の風味がとんでしまうので注意してください。
フランスパンが発酵不足の場合の対処法
フランスパンが発酵不足の状態が一次発酵のときであれば、そのまま発酵の時間をとれば問題ありません。
そのまま5~10分ほど発酵させて生地の様子を見ましょう。
問題なのは二次発酵で発酵不足の場合。
二次発酵で発酵が足りていない状態というのは、一次発酵で発酵不足だったことがほとんどです。
「もう少し発酵させてみよう」と待っても、思ったより膨らまないかもしれません。
パン作りは全ての作業がつながっているので、一次発酵で失敗したものが二次発酵にも影響しているということなんですね。
二次発酵で発酵不足の場合、対処法は残念ながらありません。
ただ、焼いたときに全く食べられないなんてことはないのでそのまま焼いてしまいましょう。
発酵不足のフランスパンがどんな仕上がりになるのか、直接食べることで知ることも多いはず。
失敗を受け止めて次のフランスパン作りに生かしましょう!
フランスパンが発酵不足だとどうなる?まとめ
フランスパンが発酵不足だと、生地にボリュームが出ない・イースト臭が残る・気泡もクープもないフランスパンになってしまいます。
見た目だけでなく味にも影響するのでフランスパンで発酵の見極めはとっても大事。
一次発酵で発酵不足だなと感じたら、その場で発酵時間をとれば問題ありません。
フランスパンは焼きあがるまで時間のかかるパンです。
大変ですがその分おいしく焼けたときは嬉しいもの。
コツを押さえておいしいフランスパンを焼いてくださいね!
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