発酵の役割とは?一次発酵と二次発酵の違い

発酵の役割とは?一次発酵と二次発酵の違い

パン作りにおいて必要不可欠な工程のひとつ発酵。

レシピを見れば当たり前のように発酵させると書いてありますが、よく考えるとそもそも発酵とはどういうことなのでしょうか?

発酵にはどんな役割があるのか、意味は何なのか気になりますよね。


そこで今回は、発酵の役割についてや一次発酵と二次発酵の違いについてまとめました。

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発酵の役割

パンの発酵

パン作りにおいて発酵の役割は、生地を膨らませること。

発酵がうまくいかなかった生地は、例えどんないい材料を使っていてもおいしいパンにはなりません。


そもそも、発酵とは酵母に含まれる微生物が働いて元の物質に変化が起きていることを指します。

納豆・ヨーグルト・味噌ができるのも全て発酵によるものですね。

パン作りにおいても、イースト(酵母)と小麦粉を合わせることで炭酸ガスが発生しているので、すでに発酵自体はしているということになります。


ただし、パン作りの発酵で大事なのは『作る側が発酵の様子をきちんと見極める必要がある』ということ。

発酵した生地をそのまま放っておいたら過発酵になってしまいますし、反対に発酵が足りないと発酵不足となりおいしいパンにはならないんですね。


また、パン生地が発酵している中で起きている変化は生地が膨らむことだけではありません。

小麦粉に含まれるグルテンがイースト(酵母)と作用することで炭酸ガスを発生させているのですが、同時に生地の中では小麦のデンプンがブドウ糖に分解されています。

分解されたときに発生するアルコールによってパンに独特の風味がつきます。


つまり、発酵させることで生地は風味よくおいしくなっているわけです。

パン作りにおいて発酵はふわふわで風味よいパンを作るために必要不可欠な工程なんですね。

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一次発酵と二次発酵の違い

パン発酵

パン作りでは基本的に発酵の時間を一次発酵と二次発酵の2回にわけてとっています。

なぜ2回も発酵をとるのか、全て1回にまとめて発酵させちゃダメなのか。

その理由は、一次発酵と二次発酵で目的や役割が違うためです。

それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

一次発酵では生地を熟成させる

  • 生地を膨らませて熟成させる役割がある
  • 一次発酵の目的はふわふわで風味の良いパンを作ること

一次発酵は、小麦粉をこねることで生まれたグルテンをしっかりとイーストと作用させて炭酸ガスを発生させる役割あります。

炭酸ガスの発生は生地が膨らむのに欠かせないもの。

パン作りは全ての作業が繋がっているので、一次発酵の段階で生地が膨らんでいないと例え二次発酵でしっかり時間をとっても生地が膨らむことはありません。




また、発酵時間をじっくり取ることで小麦粉のうま味がぐっと引き出されます。

一次発酵の際の温度は二次発酵より低いのが基本ですが、これは温度が低いほど発酵の進み具合が穏やかになるため。

できるだけ発酵のスピードをゆっくりにすることで、熟成もすすみます。

一次発酵は28~30℃の低すぎず高すぎない温度で行いましょう。

時間がないとき、早く生地を膨らませたくて、オーブンの発酵機能(40℃設定)で一次発酵させたことがあります。

生地はいつもより短い時間で膨らんだのですが、一気に発酵が進んだことで十分な熟成ができていなかったためでしょうか、焼きあがったパンはなんだかあっさり、味に深みがないものでした。

おいしいパンってなにもつけなくても小麦の味と香りがちゃんとしておいしいんですよね。

私が高温短時間発酵させたパンは味がしなくておいしくなかったんです。


ただ、レシピの中にはイーストや糖分の量を調整することで、高温で短時間発酵させてもおいしいパンが作れるようにしたものもあります。

短い時間でどうしてもパンを作りたいという人は、そういったレシピを参考にするといいでしょう。

二次発酵は生地をゆるめてより膨らみやすくする

  • 成形でしまった生地をゆるめる役割がある
  • 二次発酵の目的はオーブンの中でしっかりと膨らむパンを作ること

二次発酵には、成形時にしまった生地をゆるめる役割があります。

難しい成形でなくても、ただ丸めるだけでも生地はぎゅっとしまるんですね。

そのままの状態で生地をオーブンに入れて焼いてしまうと、表面が張った状態なのでなかなか生地が伸びません。

パンが釜伸びするように(オーブンの中でぐっと膨らむこと)、生地をゆるめるのが二次発酵の目的です。


二次発酵で大事なのは焼くタイミングを見極めることです。

パンはオーブンの中でも膨らむということは、パン生地が一番膨らんでいるピークはオーブンに入れてからということ。

オーブンに入れる前(焼く前)に膨らみのピークを迎えてしまうと、パン生地は発生した炭酸ガスを抱えきれなくなってしまいます。

焼いている間に膨らむどころか生地がしぼんでしまうことも…。


二次発酵ではパン生地を大きく膨らませることが目的ではありません。

『生地が最後オーブンの中で膨らむための手助けをする段階』と考えておきましょう。

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発酵の役割と一次発酵と二次発酵の違いまとめ

  • 発酵の役割はパン生地を風味よくふわふわに膨らませること
  • 一次発酵には生地を熟成させて膨らませる意味がある
  • 二次発酵には生地をゆるめてオーブンの中で膨らませる意味がある

発酵の役割は生地を膨らませることにありますが、一次発酵と二次発酵ではその役割が少し変わってきます。

一次発酵でパン生地のベースを作り上げて、二次発酵で整えると言ったら分かりやすいかもしれません。

ただ発酵させるのと、役割や意味を知ったうえで発酵させるのでは生地の見方も変わると思います。

「今は何のために生地を発酵させているのか」ということを考えて、パン作りに励んでみてくださいね。

関連記事:フランスパンが発酵不足だとどうなる?温度や時間の目安について

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